韓国のタイヤメーカーのハンコックは、ベルギーの化学大手ソルベイと革新的な「循環型シリカ」の共同開発に向けた覚書を締結したと発表した。この戦略的パートナーシップは、タイヤ製造における循環型シリカの開発に焦点を当てており、持続可能なタイヤ生産に向けた重要な一歩となる。
両社は、ハンコックタイヤの最先端研究センターのハンコックテクノドームで調印式を行った。式には、ハンコックタイヤのボンヒ・ク社長兼最高技術責任者(CTO)やソルベイのアン・ナイテンス シリカ・特殊化学品事業部門社長らが出席し、様々な原料からの循環型シリカ開発に向けた協力を確認した。
世界のタイヤメーカーは、持続可能な原料の含有量を増やすため、廃棄された籾殻から作られる「籾殻灰シリカ」を利用してきた。しかし、この手法は高コストや供給地域の多様化の限界など、一部の地域で課題に直面している。籾殻は体積重量が大きいため、輸送コストが高くなるという物流上の課題もある。ハンコックタイヤは、これらの制限を克服するため、ソルベイが提案する様々な原料からの循環型シリカ開発を積極的に探求している。