三菱自動車、主力ASEAN回復遅れなどで3期ぶり減収減益 2024年度第1四半期決算

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三菱自動車の2024年度第1四半期(4~6月期)業績は主力ASEAN市場の回復の遅れや米国でも競争激化で販売費用が膨らんだことなどにより、売上高が前年同期比1.3%減の6275億円、本業の儲けを示す営業利益は同21.3%減の355億円と3年ぶりの減収減益となった。

松岡健太郎代表執行役副社長CFO(最高財務責任者)は7月23日のオンラインでの決算説明会で「第1四半期業績は、販売競争の激化、インフレに伴うコストの上昇、一時的な品質関連費用の増加などにより前年同期比で減収減益という結果となった」と述べた。

営業利益は前年同期に対し96億円の減益となった。松岡副社長は「資材費輸送費は工場経費や輸送費等の悪化を資材費低減により打ち返し合計で20億円の好転。為替についてはコスト通貨であるタイバーツの悪化影響を米ドル等その他主要通貨で打ち消し246億円の好転となった」とする一方で、「一部地域での船腹到着遅延や在庫調整等もあり卸台数が減少したことにより前年同期比120億円の減益要因となった。販売費は市場競争環境激化に伴い主に米国やタイでの対策金が増加したことを主因とし合計で94億円の減益要因となった」と説明した。

第1四半期の卸売り台数は前年同期比10.3%減の20万8000台だった。日本や米国は前年並みを維持したものの、主力のASEANが同21.3%減の4万8000台に落ち込んだのが響いた。

ただ松岡副社長は「『デリカミニ』の好調な販売モメンタムを維持して販売台数が増加した。今後は『アウトランダーPHEV』、デリカミニの特別仕様車投入に加え、発売後好評を頂いている新型『トライトン』の販売増を図る」と国内販売に期待を寄せた。


《小松哲也》

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