自動車の部品は単にコストや軽量化を追求すればいい時代は終わった。これからはカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーといった付加価値も要件となってくる。たとえば、自動車にも多用されるPPファイバー製造には課題がある。
PPファイバーは、ポリプロピレンのペレットにガラス繊維などを混ぜて作られる。構造材に利用できるような樹脂製品も強度や耐熱性などを出すため金属を混ぜることがある。
通常、PPとガラス繊維を混ぜるには2軸押出機と呼ばれる機械を使う。2メートルくらいある変則ピッチのドリルのような形をしたスクリューを2本ならべて素材を練り合わせる機械だ。まぜるものが樹脂やプラスチックだけならいいが、金属やガラス繊維を混ぜると、スクリューの摩耗が激しくなる。1か月も使うとエッジが鈍ってくる。スクリューの歯形状は素材を均一に混ぜ合わせるために設計されているので、そのままでは素材の品質が保てない。