テスラのテキサス工場オープンイベントから見えてくるEV市場の変化

テキサスギガファクトリー
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4月8日(日本時間)に、テスラが「Cyber Rodeo」というイベントを開催し世界にライブ配信を行った。テキサスで稼働を始めたテスラの「ギガファクトリー」のオープニングセレモニーを兼ねたイベントで派手なドローンショーや花火の他、CEO イーロン・マスク氏もプレゼンテーションを行った。

◆CYBER RODEO:テキサスギガファクトリーオープン

類似のイベントは上海やベルリン工場の開設時にも行っている。従業員や地域住民に工場エリアや施設を解放し、外には移動遊園地やケータリングサービス(キッチンカー)、ライブステージなどが設けられ、まさにパーティ、お祭りといった雰囲気だ。プロモーションビデオのために、プレス機やロボットアームが稼働している機械の間(通常は立ち入り禁止区域)をドローンが飛び交う映像が放映された。既存メーカーの施設管理・品質管理部門のマネージャーや「製造業の稔侍」警察民がみたら発狂しそうな動画だが、インパクトは十分である。

ドローンショーでは、『モデルY』やサイバートラック(のグラフィック)を空中に浮かべ、ニコラ・テスラの肖像、仮想通貨の柴犬キャラクターや、テスラをポチると(注文すると)表示されるハリモグラなど、コアなファンサービスも忘れていない。

思えば高度成長期、地域に企業の工場が進出するとき、かならず地元住民の理解を得るため施設開放イベントやお祭りなどを開催していた。工場で作られる製品のデモやサンプルが無料で配られたりもした。テスラはハイテク企業でウェットな寝技みたいな戦略は好まない印象があるが、古典的な手法で、ベルリンやテキサスでは雇用と産業を持ってきたオープンな企業として受け入れられている。

◆テスラ発表のポイント

ライブイベント開始から40分後、イーロン・マスク氏のプレゼンテーションが始まった。ここでの発表内容を整理すると以下のようになる。

  • 全長1.17キロほどの巨大な工場建屋は、バッテリー製造から完成車組み立てまでほとんどのラインが揃っている

  • モデルYのバッテリーは4680という新しいセル(パナソニックも作っている)を利用

  • バッテリーモジュールはボディ構造(フロア)と一体型の設計

  • シャシーは前後のギガキャスト(鋳造による単一フレーム)とバッテリーモジュールの3コンポーネントで構成される

  • テスラボット(オプティマス)、サイバートラック、ロードスター(第2世代)、セミ(大型トラック)は2023年リリース予定

《中尾真二》

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