JR北海道は11月12日、2021年度第2四半期(2Q)の収支状況を明らかにした。
7~9月が対象となる2Q単体では、鉄道運輸収入が2020年度2Q単体よりやや回復したものの、コロナ禍前の5割未満に留まるなど厳しい状況が依然続いている。
一方、営業費用は賞与削減や車両修繕費の減少などにより、2020年度2Q単体比で15億円減少。さらに独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)へ貸付けを行ない利息を受け取る「経営安定基金の下支え」により、7月に1600億円、9月に1370億円を利率5%で貸し付け20億円の利息を得たが、その貸付資金調達のため金融資産を売却し309億円を経営安定基金に上積みしたこともあり、経常利益が145億円の黒字となっている。
また特別損益に、国からの青函トンネルの修繕費や黄線区の支援、貨物列車の運行に必要な設備投資に対する支援により62億円を計上。9月には鉄道・運輸機構からの借入金を株式化する「債務の株式化」も実施され、2Q単体の純利益は196億円の黒字に好転した(2020年度の2Q単体は104億円の赤字)。
4~9月の2Q連結でも純利益は185億円の黒字(2020年度2Q連結は151億円の赤字)となったが、鉄道運輸収入を含む営業収益は、2020年度2Q連結より微減の506億円で、コロナ禍前の2019年度2Q連結のおよそ6割に留まっている。本業の儲けを示す営業利益は338億円の赤字で、これは過去最大の赤字となった2020年度に次ぐ額だという。
2Qの純利益が黒字基調とはいえ、国からの支援がなければ赤字から脱却できない厳しい経営状況が続いており、JR北海道でも今回の結果は一時的なものと見ている。