自工会 豊田会長「私にもギャラを」…会長続投報道は「決まっていない」

豊田章男自工会会長(参考写真)
  • 豊田章男自工会会長(参考写真)
  • クルマのライフサイクルCO2(つくる~つかう)

日本自動車工業会の豊田章男会長は9月9日の定例会見で、自らの会長任期延長に関する一部報道について「決まっていない」と否定したうえで、「報道機関はいつから噂話を載せるようになったのかなと思っている」と述べた。

自工会の会長職は、トヨタ自動車、日産自動車およびホンダの3社が2年の任期で輪番にする慣例となっている。豊田会長は、12年から14年の任期に続く2度目の登板として18年5月に就任し、任期は20年までだった。しかし、コロナ禍や東京2020五輪・パラリンピックの延長などもあって、任期を22年まで延長してきた。

豊田会長の任期については、日本経済新聞が8日午後の電子版などで自工会が24年5月まで延長する方針を固めたと報じた。読売新聞も9日付朝刊で、追従して報じている。自工会は8日午後の段階で、会長人事を決めた事実はないとのコメントを出していた。豊田会長は、報道に対し「私という有名人を使ってページビューを稼ぎたいというのなら、私にもギャラをくださいと言いたい」と、痛烈に皮肉った。

9日の会見ではカーボンニュートラルへの取り組みについて、「カーボンニュートラルは雇用問題」という持論を改めて強調した。運輸など関連部門も含め550万人の雇用を抱える自動車産業は「日本の人々の雇用と命をあずかっている」としたうえで、カーボンニュートラルは「ライフサイクルアセスメントにより、生産、物流など全てのプロセスでCO2(二酸化炭素)の削減が求められるものであり、(日本の)現状のエネルギー構成だと自動車の輸出はできなくなる」と、雇用や外貨獲得への大きなインパクトを指摘した。

依然として火力への依存度が高いなど課題を抱える日本のエネルギーについて、豊田会長は10月に「プラクティカルでサスティナブルなエネルギー社会に向けた」提言を公表する計画も示した。

《池原照雄》

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