本連載では、これまで6回に渡り、小型EV、自転車、電動キックボードにおける現状や普及に向けた課題等を取り上げてきました。
第7回となる今回は少し趣向を変え、これまで取り上げてきたモビリティとは異なる、かつ本連載におけるマイクロモビリティの定義=「25km/h以下で走る1人または2人乗り程度の小型軽量車両」に該当する多様なモビリティを紹介します。
電動ユニサイクル・ホバーボード
一つ目は、Segway-Ninebot社製品「Ninebot One」に代表される電動ユニサイクル(一輪車)です。同社の製品はハンドル、サドル、ぺダルがなく、操縦者の重心移動のみで操作を行います。最高速度は20km/h、重量は11.4Kgであり、メーカーによれば持ち運びも可能としています。

同様に操縦者の重心移動のみで操作を行うモビリティとして若者に親しまれているのが「ホバーボード」です。こちらは2輪のスケートボードのような形状で、世界的な人気歌手や俳優等、著名人が所有していたことがきっかけで欧米の若者を中心に人気に火がついたと言われています。正確な普及台数までは確認ができていませんが、バッテリーからの発火事故に起因して2016年に米国で行われたリコールの台数が50万件以上だったことからも、その人気のほどが伺えるところです。
火付け役となった製品を販売したRazor社の最新モデル「Hovertrax2.0」は、最高速度約10km/h、重量は約12kgであり、他のデバイスと比較して最も低速なデバイスですが、自転車の公道走行時平均速度と同等程度であることを踏まえると、移動には十分な速度といえるでしょう。

上記のほかに、一輪タイプの電動スケードボードも市場に流通しています。アメリカのカルフォルニア州サンタクルーズに拠点を置くFUTURE MOTION社が販売している電動スケードボードは、板の中心に一輪の大きなタイヤが設けられており、他のデバイスと同様に体重移動で操作を行います。同社の製品「Onewheel pint」の最大速度は約13Km/h、重量は約10Kgであり、同社は「価格、性能、実用性のスイートスポットを捉えている」と評しています。
