日野 セレガ 改良新型…自動検知式ドライバー異常時対応システムを商用車世界初採用

日野 セレガ 改良新型
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日野自動車は一部改良した大型観光バス『セレガ』について、7月1日から販売を開始すると発表した。ドライバーの状態を検知して急変した際に車両を自動的に停止させる機能を、商用車として初採用するなど、先進安全装備を拡充したのが特徴。

日野は、ドライバーの急変による事故防止対策とし2018年に手動スイッチ式のドライバー異常時対応システム(EDSS)を市場投入しているが、今回搭載されるシステムはそれをさらに一歩進めたものとなる。

その仕組みは、ドライバーの運転姿勢や車両の挙動を常にモニターし、体調の急変でドライバーが前に突っ伏したり、横倒れになるなど異常な状態に陥り、車両も車線を逸脱といった挙動をとっているとシステムが判断すると、徐々に減速して車両を自動停止させるというもの。

その際、車内では非常ブザーが鳴るとともに荷物棚の前方に取り付けられているフラッシャーが点滅して車両が緊急停止することを乗客に知らせる。一方、車外の周囲に対してはクラクションを鳴らし、ストップランプ、ハザードランプを点滅させて異常を伝えるようにしている。

システムの開発に携わった日野自動車ADAS開発部第1先進システム開発室の前野貴正グループ長は「従来の手動スイッチ式EDSSでは、ドライバーが異常な状態にあることを乗客に気付いてもらう必要がある。しかも車両が逸脱したり、どこかに一度接触している状況になってから初めて乗客が異常に気付き、ボタンを押してもらうことになる。自動検知システムであれば、ドライバーの状態が異常で、車両の挙動も異常であるということを自動的に判断して、早めにブレーキをかけて安全な状態に持っていくことができる。より早い段階で安全に停車することを狙ったシステム」と胸を張る。

今回、EDSSを進化させることができたのが、ドライバーモニターの性能向上にある。その性能向上について先進技術本部で副領域長を務める奥山宏和氏は「従来のドライバーモニターの機能としては顔の向き、目の閉じ具合を検出していたが、最新のAI技術を使うことによって、運転姿勢崩れ、それからマスクを着用している状態でも検知可能になった」と解説する。

運転姿勢崩れに関しては国交省がガイドラインとして示している突っ伏し、うつむき、仰向け反り、エビ反りなど7つの異常姿勢を検知できるようにしているという。

自動検知式EDSSを始め、性能向上したドライバーモニター、クルーズコントロール機能に新たに全車速対応の渋滞追従機能を追加したスキャニングクルーズ、さらにはオートマチックハイビームを新採用し、いずれも標準装備となっている。

《小松哲也》

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