滋賀県の近江鉄道は2月13日、前面展望タイプの700形電車が5月6日限りで引退することを明らかにした。
700形は、西武鉄道(西武)の通勤型電車401系の流れを汲む改造車で、近江鉄道開業100周年と八日市駅新駅舎の完成を記念して1998年6月に登場した。
JR東日本のジョイフルトレイン「Kenji」に似た前面展望タイプの車体となっており、近江鉄道では「特急電車風」にデザインしたという。車内はクロスシート仕様になっており、沿線で詠まれた「万葉集」の「あかねさす…」の和歌にちなんで「あかね号」の愛称が付けられていた。足回りは1960年代生まれのものだけに老朽化が進んでいた。
700形引退後の「あかね号」は900形に引き継がれ、愛称の承継は5月7日に行なわれる。900形は西武新101系の改造により2013年6月に登場した車両で、2月16日には700形と同じくクリーム色に赤・青のラインを配した「あかね号」色となる。
700形の最終運行日となる5月6日にはラストランイベントが開催される予定で、3月1日から5月6日まではラストランの幕やステッカーが掲出される。