3両基本編成の東武特急500系が、南会津と浅草を結んでちょうど1年。4月21日の浅草駅(東京都台東区)に、花嫁和装の行列が現れた。
福島県南会津町で行われる、会津田島祇園祭の花嫁行列がなぜ浅草に!? 「満席」の文字が並ぶ8時台の特急ホームで出発を待つ観光客は、突然のサプライズに驚くばかり。
8時半、浅草駅前の都営バスのりば付近をゆっくりと行く花嫁行列、駅正面玄関から列を崩さず入り、エスカレーターで移動する花嫁行列、改札口を通り一直線に特急ホームに向かう花嫁行列……。そのひとコマひとコマが、クール。
浅草寺へむかう外国人観光客は、「ちょっと待って! なにあれ!? おおっ! すごい!」と、突如現れたおしとやかで古風な花嫁に釘付け。
南会津の花嫁行列は、3番ホームに入ってきた500系リバティに手を振り、挨拶。「南会津にきてきあれ」「リバティに乗ってきてきっぜ」。
花嫁姿の星有紀さん、中岡郁乃さん、宇内優子さん、渡部絵美さん、阿久津夏菜さん、室井夏美さんは、9時ちょうどのリバティけごん11号+リバティ会津111号(列車番号1011+1111)に乗り込んだ。
日光へむかうというカナダの夫婦は、たまたま出会えた花嫁行列にカメラをむけ、ホーム係員に「9時30分発の特急に乗るんだけど、彼女たちの乗る列車にいまから乗れない? ダメ?」と。女性アテンダントは、「ごめんなさい。残念だけど、もうどの列車も満席です」と伝えていた。
土日の午前中は「満席」の文字が並ぶ浅草駅。東武特急500系リバティ6連に、南会津の花嫁行列6人。2年目の春をむかえる500系リバティが、すべての席を埋めて、北へと走る。