絶版バイク多数出品で話題、差押え品のオークション「公売」とは?

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「公売」に出品されている絶版バイクのカワサキZ1100GP(公売情報ウェブサイトより)
  • 「公売」に出品されている絶版バイクのカワサキZ1100GP(公売情報ウェブサイトより)

税金の滞納で差し押さえられたバイク22台が、一挙にネット公売に出品され話題となっている。中には180万円もの最低見積額が値付けられた絶版車のカワサキ『Z1100GP』や、世界で2000台のみが生産された限定車のドゥカティ『PS1000LE』など稀少なモデルもあり、その台数もあってバイクファン達をざわつかせているようだ。

今回のニュースで初めて「公売」というシステムを知った人もいるかもしれない。公売とは、国税局や税務署が差し押さえた財産を入札によってさまざまな「財産」を売却するオークションのことで、原則だれでも参加が可能だ。現在はヤフーオークションの中でも「官公庁オークション」として窓口が開かれており、家電、おもちゃ、ファッションなどから自動車、バイク、そして不動産まであらゆる差し押さえ物件が出品されている。

期間内、もしくは指定された日時に見積額(最低金額)以上の金額を入札して、最も高い金額を提示した人が落札する、というのは一般的なオークションと全く同じ。大きな違いは、入札前に「公売保証金」という手付金のようなものを一時的に支払うという点で、公売保証金は出品ごとに異なる。今回話題となっているZ1100GPなら40万円、PS1000LEなら18万円という具合だ。

オークションのため最終的な落札金額は入札者次第だが、欲しいものを市場価格よりも安く手に入れることができる可能性がある。ちなみに最初に設定されている見積額は、「精通者の意見を参考にしている」(国税庁ウェブサイトより)という。

いっぽうでデメリットもある。自動車、バイクの場合で言えば、引き渡しまで実車の確認ができない(保管者により可能な場合もある)、物品を滞納者側で保管している場合は直接引き渡しのやりとりをおこなう必要がある、など。もし保管者が引き渡しを拒否しても「国は義務を負わない」(同)ので注意が必要だ。だが、今回のバイクのように、国税局がすでに徴収しているものは指定の場所で引き渡しがおこなわれるので、入札前にしっかりと確認しておくのが吉だ。

4月21日現在、国税局の公売情報を確認すると30件の自動車、バイクが確認できる。最も見積額が高いのは前述のZ1100GPだが、5万7000円の日産『エルグランド』や135万円のポルシェ『カイエン』、161万円のジャガー『XF』のほか、トランスポーターやアルミバントラックなど、差し押さえの経緯を想像せずにはいられない様々な「財産」が出品されている。

公売を利用すれば、あこがれのクルマやバイクをお得に手に入れることも…?運がよければ可能かもしれない。

今回話題となった22台のバイクの参加申込期間は、4月27日13時から5月10日17時まで。買受申込期間は、5月19日13時から5月22日13時までとなっている。写真などの詳細は国税局の「公売情報」ページで確認することができる。

《宮崎壮人》

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