SUPER GTシリーズは8~9日に岡山国際サーキットで今季開幕を迎える。予選前日の7日、サーキットでは各チームによる搬入作業が進むなどしており、徐々に臨戦ムードが高まりつつあるなか、現地入りした前年GT500王者・平手晃平はV2に向けて手応え良好な旨を語っている。
今年もSUPER GTの開幕地は岡山国際サーキット。周辺道路には「前売駐車券がないと場内(の駐車場)には入れません」と記された注意看板が並ぶなど、例年通りの大観衆が詰めかけることが予想される。
天気予報が微妙なのだが、この日の昼過ぎのサーキットの空は曇りで、雨は時折弱く舞う程度。それほど寒いことはなく、ピットロードで気温と路温をチェックしていたチームスタッフに聞くと気温が17度、路温が18度だった。
GT500とGT300、両クラスあわせて45台がエントリーしている開幕戦岡山。ベントレーやマークXという注目ニューカマーがいるGT300(30台)の戦国模様も魅力的だが、まずはレクサス、日産、ホンダが技術の粋を集めて開発したマシンで競うGT500(15台)の戦況が気になるところだ。しかも今年のGT500は新たな2017年規定に合わせたニューマシンでの戦いになる。
開幕前のテストでは、連覇を狙うレクサス勢の新車LC500が好調に見受けられる状況だった。もちろん、いざ実戦となればフタを開けてみないとわからない面も多々あるが、レクサス優位で開幕、という見方が支配的にも感じられる。
昨季王座を獲得した陣営は「LEXUS TEAM SARD」だった(今季マシン名:DENSO KOBELCO SARD LC500、タイヤはブリヂストン)。そして、今季もF1優勝経験者ヘイキ・コバライネンと組んで連覇を狙うのが平手晃平だ。その平手も「ここまでテストを重ねてきたなかで、確かにレクサスが好調ですね」と振り返る。
そして平手は、「それは別にしても、自分たちが(チームとして)やってきたことが確実にプラスになっていますし、雰囲気もいいです。そういういい状態で、自信をもって開幕を迎えられるのが嬉しいですね」と、チームとしての充実度の高さも示唆する。
平手個人にとってはGT500での戴冠は昨季が2度目。前回はセルモチームに在籍していた13年だったが、翌14年が大幅な車両規定元年となり、連覇を狙うには(一般論として)辛いシチュエーションに。「当時は自分たちレクサスのマシン(RC F)も良かったんですが、日産(GT-R)がそれ以上に強いことを感じていました」というなかで、連覇は達成できなかった。
今年17年の規定変更は14年時ほど大きくはないが、またしても連覇を目指すタイミングで新規定、という状況に平手は遭遇している。「そうですね。でも今回は(他社との戦闘力の状況がおそらく14年とは)逆ですし、連覇を狙って戦っていける自信はあります」。
さらに平手はこうも語る。「ただ、開幕戦はあまり力まず、『カーナンバー1だから』と自分にプレッシャーをかけ過ぎないように戦おうと思います。14年の時はそういう面もあったので。(いい意味で)気楽に、そして確実に戦います」。
いずれにしても手応えは確かな様子の王者陣営。レクサス勢同士の先陣争いとなる予感もある開幕戦でどんな戦いを演じてくれるだろうか。楽しみな存在だ。
レクサスLC500、日産GT-R、ホンダNSX-GTの戦いに、レクサス勢の多くが履くブリヂストン、そしてヨコハマ、ミシュラン、ダンロップによるタイヤウォーズもあわさってのGT500クラス15台の戦いは、ハコ車の世界最高峰といっていいレベル。天候を含めて、どんな展開のオープニングレースとなるのか。予想通りか、はたまた大逆転か、あるいは雨で乱戦模様の可能性もあるが、どう転がっても面白く充実した内容になることは間違いないだろう。
翌日以降の予選~決勝に向け、岡山国際サーキットでは臨戦ムード上昇とともに期待感も高まってきつつある。