遊びが学びに…親子で体験できる鈴鹿の遊園地「モートピア」

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顔写真と名前入りのカード「免許証」をゲット
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 世界最高峰のモータースポーツであるF1を迎え入れる「鈴鹿サーキット」。三重県にある鈴鹿サーキットには、国際格式のレーシングコースだけでなく、遊園地「モートピア」が併設されている。

 「モートピア」は、サーキットに併設される遊園地ということもあり、他の施設とは異なる個性がある。まず、主な対象が小学生以下に絞り込まれていること。そして、「できた! がいっぱい。」をキャッチコピーにするように、子どもが自由に操れる範囲の大きい体験型のアトラクションや施設が多いのだ。

操る喜びを体験できる「コチラのプッチタウン」

 体験型アトラクションが多いという特徴は、メインゲートをくぐってすぐ左手にある「コチラのプッチタウン」に見ることができる。「コチラ」とは、故手塚治虫氏が生み出したモートピアのオリジナルキャラクターだ。そして「コチラのプッチタウン」は、園内にある7つのエリアのひとつ。

 「コチラのプッチタウン」は、子どもが主役の街であり、3歳の子どもでも「操る喜び」を体験できるエリアだ。鈴鹿サーキットの国際レーシングコースを縮小したようなコースを、電動カートでタイムアタックする「プッチグランプリ」が象徴的なアトラクションだ。

 中学生以上の同伴者がいれば3歳から楽しむことができるこのアトラクションでは、ハンドル操作・アクセル操作・ブレーキ操作が自由にできる。また、加速をより強くできるボタンがあって、同乗者と協力すれば、さらに速く走ることもできる。同時に走るほかの参加者と競うこともできる。1周を走りきるのにかかった時間もしっかりと表示される。

 「娘がよそ見をしていたらぶつかったんですね。それで、“ああ、本当に運転しているんだな”と実感できました」とは、今回撮影に協力いただいた、5歳の結衣ちゃん(仮名、以下同様)とご両親の3人で来園した石川家のお母さん。つまり、失敗を乗り越えた上の成功体験ができるのが特徴となる。

 そして、上手にアトラクションをこなすとカードがもらえ、それを「メンキョセンター」に持っていくと、顔写真と名前入りのカード「免許証」にできる。成功体験をカードという形で残せるのだ。カードを集める子どもに向けた専用ケースも提供されていた。

電動バイクに挑戦し、電動カートを組み立てる

 体験型アトラクションとして、まずほかで見かけることができないであろうものが「ピピラのモトフィールド」にある。それが「キッズバイク」だ。これは補助輪なしの自転車に乗れる3歳以上の児童を対象にしたもので、電動バイクが体験できるアトラクションだ。転んでもケガをしないように、コースはクッション性のある床や壁に囲まれている。ここで上手になってライセンスを得れば、もう少し大きなバイクで走る「ツーリングバイク」にも挑戦できる。こちらでも、「ライセンスセンター」があり、上手に乗れた成功体験をカードとして手に入れることができるのだ。

 また、より本格的なモータースポーツを試してみたいという子どもには、「GPフィールド」が用意されている。このエリアには隣接するレーシングコースで行われるレースの映像を楽しめる「レーシングシアター」をはじめ、コースを走る「サーキットカート」や「コチラのレーシングカート」などがある。

 体験するという意味では、「プートのモビパーク」にある「プートののりもの研究所」もユニークだ。ホンダの生産工場などで働いていたプロによる指導のもと、電動カートを組み立てるというもの。本物の工具を使って、本当に走る電動カートを組み立てるのだ。「娘が、こんなに集中するとは思いませんでした。私達、親もこうした工具を使ったこともありませんでしたし、驚くことばかりです」と、結衣ちゃんのお父さん。

定番のコースターにもひと工夫あり

 遊園地の定番となるコースター系は「バットのアドベンチャーヴィレッジ」のエリアに集中する。急坂や急カーブが続くコースを、加減速を繰り返す「アドベンチャードライブ」に、「大人でも怖かった」とお父さん。本格的なコースター「ロッキーコースター」には、後ろ向きのシートが用意されている。今年の春にスタートした「アドベンボートフロンティア」は、「プッチグランプリ」と同じく、自由にコース内を操縦することができるアトラクションだ。ここでも、子どもがボートを「操る喜び」を体験することができるようになっている。

夏休みに大人気の「アクア・アドベンチャー」

 夏休みの時期に、非常に高い人気を集めるのが「アクア・アドベンチャー」。こちらは6種類のプールやスライダーからなるプールエリアだ。

 メインとなるのが、噴水火山を中心に、さまざまなアドベンチャー要素を用意した「アドベンチャープール」。滝の瀑布をくぐったり、沢登りや渓流スライダーを楽しむことができる。流れるプールである「アドベンチャーリバー」の中州には宝探しなどができる「アドベンチャーアイランド」が用意されている。水に浮く箱の上を歩くなど、水のアスレチックとも呼べるのが「アドベンチャーウェーブ」だ。小さい子どもには、「アクアアドベンチャーベイビー」や「キッズプール」がお勧めだ。

 そして、リニューアルされたばかりという「アドベンチャースライダー」には、2種類のスライダーがある。2人一緒に滑る「チューブスライド」と、1人ずつ2つのスライダーを滑る「パワーバトルスライド」だ。「パワーバトルスライド」は、滑り終わるまでのタイム計測が行われ、2人の合計タイムが目標値をクリアすると祝砲「できたキャノン」が打ち上げられるという工夫も。タイムを競うという部分は、鈴鹿サーキットの遊園地らしいところだ。

子どもがチャレンジできるのがいい

 アトラクションやプールを目一杯楽しんだ結衣ちゃんのお母さんは、「娘はもともと活動的なほうなので、自分で運転できるアトラクションは楽しかったようです。そうしたアトラクションは、タイムが表示されたり、ランクがハッキリ出たりして、子どもだましじゃないという感じが気に入りました。チャレンジするという部分もいいですね。親としては、できなかったことをクリアする。そうした体験ができたのがよかったと思います」と言う。

 「思ったよりも、並んで待つ時間が少ないので、子どもがむずかることもありませんでした。興味のあるモノにすぐに乗れるのは嬉しいですね。それに、ひとつひとつのライドに乗っている時間が長いように感じました。プールも更衣室が近くて便利。プールは、巨大な水鉄砲があったり滝があるなど、面白かったですね」とは、お父さん。

 ホンダの創業者である本田宗一郎による「モータリゼーションの発展」への願いから生まれたのが鈴鹿サーキットだ。その付帯施設である遊園地も、当初から、サーキットへ来る家族のためという位置づけであった。そうした原点があることも「モートピア」のユニークさの理由だろう。「モートピア」では、エンターテインメントに留まらず、親子での体験を通して何かを得ることができそうだ。

《鈴木ケンイチ》

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