北海道の旧天北線上音威子府駅で駅名板の除幕式…8月4日

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除幕式の案内。当日は駅名板のお披露目や記念撮影、記念品の頒布といった簡単な行事が行われる。
  • 除幕式の案内。当日は駅名板のお披露目や記念撮影、記念品の頒布といった簡単な行事が行われる。

26年あまり前に廃止された旧天北線上音威子府駅(北海道音威子府村)周辺で、8月4日に駅名板の除幕式が開催される。

天北線は、音威子府~浜頓別~稚内(現・南稚内)間141.9kmを結んでいた鉄道路線。戦前は日本領だったサハリンと北海道を結ぶ最重要幹線として、1914年から1922年にかけ国鉄宗谷線として建設された。1926年に現在の宗谷本線に相当する天塩線音威子府~幌延~稚内間が開通するとこちらが本線格となり、旧宗谷線はローカル線として1930年に北見線に改称。天北線に改称されたのは1961年のことだった。

北海道内でも有数の赤字ローカル線だったが、1961年から廃止直前の1989年までは札幌直通の急行『天北』も運行されており、幹線だった時代の名残を見せていた。国鉄末期に第2次特定地方交通線の指定を受けたことから、JR北海道へ承継後の1989年4月30日限りで廃止された。

上音威子府駅は1914年11月7日、音威子府~小頓別間の開通にあわせて開業。最盛期には駅周辺に400人以上が暮らしていたが、天北線の廃止から26年あまりが経過した現在、周辺は無人で、ホームのみが残存している状態だという。同駅は昨年、開業から100周年を迎えたことから、「日本の最北へと続く最初の鉄路があったという地域の歴史を後世へと語り継ぐ」ため、村民有志グループである「天北線上音威子府機関支区鉄道倶楽部」を中心に保存活用事業に着手。村の「住民提案型まちづくり補助金制度」による助成を受けながらホームの修繕を実施し、今回、駅名板を設置する運びとなった。

除幕式では駅名板のお披露目や記念撮影、記念品の頒布が行われるが、主催者側では「現在引き続き作業中ですので、当日までは立ち入らないようにご協力をお願いいたします」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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