航空機事故3件、重大インシデント3件、安全上のトラブル850件…2013年度国土交通省まとめ

航空 行政

国土交通省は、「第15回航空安全情報分析委員会」を開催し、2013年度の航空運送の安全にかかわる情報について審議した。

航空運送事業者は、航空機の正常な運航に支障を及ぼす安全情報について、国土交通大臣への報告が義務付けられている。国土交通大臣は毎年度、航空輸送の安全にかかわる情報を整理して公表する。

日系航空運送事業者から2013年度に航空事故が3件、重大インシデントが3件、安全上のトラブル850件の合計856件について報告があった。

事業者別で最も報告が多かったのはANAグループで255件、次いでJALグループの226件、スカイマークの167件と続く。機種別ではB737が294件で最も多く、B767の139件、A320の94件と続く。

航空事故は、2013年11月29日、ANAウイングス機(ボンバルディアDHC-8-402型)が、福江空港に進入中、被雷により機体を損傷した。

2013年12月31日、アイラス航空機(ロビンソンR44II型)が、遊覧飛行中、低空飛行を実施し、機体の一部が海面に接触したため、沖縄県北部の古宇利大橋の東約100メートルの海上に墜落し、搭乗者3人が重軽傷を負った。

2014年2月12日、オリエンタルエアブリッジ機(ボンバルディアDHC-8-201型)が、長崎空港で、6回の連続離着陸訓練を実施し、4回目の離着陸訓練を行った際、強めの接地となったことから、胴体前方外板を損傷した。

重大インシデントは、2013年5月6日、ジェイエア機(ボンバルディアCL-600-2B19型)が、大阪国際空港A滑走路に着陸後、地上走行中、A4誘導路上で第2エンジン(GE製CF34-3型)に火災が発生したことを計器表示があったため、エンジンを停止し消火装置を作動させた。その後、自走により駐機場まで移動し、エンジンに火災の痕跡が確認された。

2013年9月10日、関西国際空港で管制官よりA滑走路の手前で待機するよう指示されていた朝日航洋機(ベル430型)が、同滑走路に進入したため、着陸許可を受けていた全日本空輸機(ボーイング767-300型)が管制官の指示により復行した。

2013年12月13日、全日本空輸機(ボーイング777-200型)が、飛行中、第2エンジン(プラット・アンド・ホイットニーPW4074型)の推力の低下と排気ガス温度が高いことを示す計器表示があったため、エンジンを停止し、航空交通管制上の優先権を要請のうえ引き返し、着陸した。

安全上のトラブルでは、機材の不具合関係が381件、回避操作が185件、被雷が118件、ヒューマンエラーが100件などとなっている。

委員会で2013年度の安全上のトラブルについて審議した結果、それぞれの事案について、関係者が必要な対応をとっており、引き続き適切にフォローアップしていくべきことを確認した。

また、安全上のトラブル等など航空安全情報の分析に基づき、機材不具合への対応、ヒューマンエラー防止への取組み、TCAS RAやGPWSによる回避操作に係る情報共有を進め、個別事案への対応を適確に行うとともに、航空運送事業者の事業規模拡大による航空を取り巻く環境変化にも配慮して監視・監督の強化、予防的安全対策の充実を図ることが必要であると評価した。

《レスポンス編集部》

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