【豊作計画】トヨタ、カイゼンを農業に投入したIT管理ツールを開発…「農業はまだまだ進化する」友山常務

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トヨタ自動車・友山茂樹常務
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トヨタ自動車は、米生産農業法人向けの農業ITツール「豊作計画」を開発し、愛知県と石川県の米生産農業法人9社に今月から提供を開始した。

トヨタは、自動車事業で培った生産管理手法や工程改善ノウハウを農業分野に応用し、農業の生産性向上に貢献することをねらいに、2011年から、愛知県の米生産農業法人「鍋八農産」と共同で生産プロセスの改善を行ってきた。

豊作計画は、同地域において複数の小規模農家や地主が大規模米生産農業法人に農作業を委託するモデルが拡大していることに着目し、農家や地主ごとに広範囲に分断して存在する水田を集約的に管理、効率的な農作業を可能とするために開発した。

この開発の陣頭指揮をとるトヨタ自動車友山茂樹常務は「2012年から2年間試行した結果、資材費で25%、労務費で5%削減できました。それまでは手作業で行っていた作業をデータ化することで、作業工数やミスの低減ができるとともに、経営管理レベルの向上が図れます」と説明する。

豊作計画はクラウドサービスとなっており、米生産農業法人はスマートフォンやタブレット端末から簡単に利用できる。システム中では、地図上に登録された多数の水田を複数の作業者が効率的に作業できるように、日ごとの作業計画が自動的に作成される。この作業計画は、現場へ向かう個々の作業者のスマートフォンに配信され、作業者はGPSで作業すべきエリアを確認してから向かう。そして作業の開始、終了時にスマートフォンのボタンを押すことで、共有のデータベースに情報が集まり、広域に分散する農作業の進捗の集中管理や、作業日報や請負先へのレポートの自動作成も可能となる。

また、農作業だけでなく、それ以降の乾燥、精米などのプロセスもカバーしており、稲品種、稲作、エリア、肥料条件、天候などの作業データとそれから得られた収量、品質データを蓄積し分析することもできる。

「トヨタのモノづくりノウハウやカイゼン(トヨタ生産方式)ノウハウをいかし、今後、日本伝統の稲作のノウハウがビッグデータ上に蓄積されていけば、将来的によりおいしいお米を低コストで作っていくことに貢献できるのではないかと考えています。農業はまだまだ進化していきますよ」と友山常務。利用料金は作業ライセンスが1年6万円(1人)、管理者ライセンスが1年12万円(1人)。2014年は原則として9社への展開とし、2015年より順次販路を拡大する。補助金が出る3年間は実証実験として進め、その間に事業化するか否かを検討する。

《村尾純司@DAYS》

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