国立天文台・東京大学大学院理学系研究科の田村元秀教授が、「太陽系外惑星とその形成現場のすばる望遠鏡による研究」の業績により、第54回東レ科学技術賞を受賞したと発表した。
田村教授は、すばる望遠鏡を使って太陽系外惑星と円盤を探査する国際共同プロジェクトSEEDSの研究代表者を務めている。
SEEDSでは、すばる望遠鏡のために新開発された近赤外線高コントラストカメラ「HiCIAO(ハイチャオ)」と補償光学装置(AO188)との組み合わせにより、太陽系外惑星そのものや、星の周囲にある円盤の直接撮像が2009年から系統的に行われており、数々の成果を挙げている。
田村教授らは、すばる望遠鏡用に新観測装置HiCIAOを開発し、2009年から直接観測による大規模な惑星探査プロジェクトを進めてきた結果、太陽に似た恒星をめぐる巨大惑星を撮影することに成功した。同装置を用いて原始惑星系円盤をこれまでになく詳細に観測し、惑星存在を示唆する空隙や渦巻腕など多様な構造が存在することを発見した。
2011年には国立天文台の家正則教授が、すばる望遠鏡での研究・開発に基づいた「初期宇宙史の観測的研究とレーザーガイド星補償光学装置の開発」の業績により、第51回東レ科学技術賞を受賞している。