マツダの山内孝会長は2月27日に開所式を開いたメキシコ工場(グアナファト州サラマンカ市)で日本メディア向けに記者会見し、「今日は私どもの構造改革のスタート地点だとの思いを強めている」と語った。
同社のメキシコ工場は今年1月に稼働開始しており、同日、エンリコ・ペニャニエト大統領も出席した開所式を開いた。当初の能力は年14万台だが、2015年度には23万台に増強する。山内会長は社長を兼務していた2011年6月に同社の大型プロジェクトとして工場建設を発表しただけに「感慨深いものがある」と話した。
山内会長はリーマン・ショック後の08年に社長となり、SKYACTIV技術の展開など4項目からなる構造改革プランを「将来に向けた施策」として打ち出した。そのなかでメキシコ工場の新設は、円高にも強いグローバル生産体制への再構築という重要な柱だった。
山内会長は日本での生産が主体となるらざるを得ない事業規模であったため「円高の度に厳しい経営を強いられた」とし、メキシコ進出の背景には「もう決してこんな思いをしたくないとの強い決意があった」と振り返った。