三井造船は、国際海事機関(IMO)が定める新しいバラストタンク塗装性能基準(PSPC)に対応するため、玉野艦船工場に大型鋼板部材用の自動面取り装置を導入したと発表した。
大型鋼板部材用の自動面取り装置の導入は国内初で、世界でも珍しい。
造船業界では、IMOで採択された船舶の新塗装基準適用により、これまでより厳しい基準に則って塗装することが求められている。この一環として、船舶の鋼材端部の面取り基準厳格化(2R以上の面取り)が要求されている。
従来、面取り作業は手持ち式の面取り機を利用し、手作業で実施してきた。今回、同社は長さ10メートルを超える大型鋼板部材の表裏両面を自動で面取りすることができる装置を考案、海外の機械メーカーに発注の上、導入した。
装置は、鋼板部材端部のドレンホール(バラストタンク内の海水の通り道)を含む開穴部の表面、裏面の両面を自動で面取りすることが可能で、連続無人運転が可能となる。NC切断機用のデータを流用し、データ作成も可能。
面取り装置は、同社のエコシップ1番船「neo Supramax 66BC」の1番船の建造にも適用した。この装置の導入により、面取り作業時数が半分となり、生産効率を大幅に改善できる見込み。