全日本選手権スーパーフォーミュラの今季2回目の合同テストが20~21日に富士スピードウェイで実施され、TEAM IMPULのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(エンジンはトヨタ)がトップタイムを記録、開幕戦に向けて好調ぶりをアピールした。
2日間ともドライコンディションとなった富士テストは、特に気温が下がった2日目に好タイムが続出。そのなかで1分22秒366と、後続にコンマ244秒の差をつけて首位となったのがオリベイラだ。トラブル車両発生によってセッションが赤旗終了となったため、オリベイラ自身を含め、さらなるタイムアップも予想されただけにタイム差を額面通りには受け取れない状況ながら、「午前中には決勝想定の燃料を積んだ重い状態のセットアップも試せたし、いい経験(データ)を得ることができた。今年仕様の新しいタイヤでマシンがよく動くことも確認できたしね」と手応えは上々の様子。
2010年以来のタイトル奪還を目指すオリベイラにとって、開幕戦の鈴鹿(4月13~14日)は、ライバルと目される11年王者アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)と09年王者ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)がWEC=世界耐久選手権との日程バッティングにより欠場するため、大チャンスとなるが、「代わりのドライバーたちも強力だし、鈴鹿でのセットアップが決まっているチームもあるからね。昨年から鈴鹿ではホンダ勢も速い」と気を緩めることなく、先制勝利を目指す構えだ。新タイヤについては「プッシュ、プッシュ、プッシュで、良いタイムが続けて出る」と、その傾向と活かし方をつかんだようで、過去2年は勝てていない鈴鹿での勝利に向けて体制は整ったと言えよう。
オリベイラの僚友で07~08年チャンピオンの松田次生も「風向き次第ではニュータイヤで1分21秒台も出るくらいだった。最後のアタックができていれば、JP(オリベイラ)との勝負になったと思う」と好感触を強調。日本一速い男・星野一義が率いる日本一速いチームが、無冠に終わった過去2年からの復権に向け、上り調子で開幕を迎える。