東武鉄道は29日、東武野田線と東武スカイツリーライン(伊勢崎線)を直通するイベント列車の運転を開始。“丸目”8000系8111編成による同列車の出発式や車内の様子を報道陣に公開した。
大宮ととうきょうスカイツリーを結ぶ同列車は、鉄道ファンや東京スカイツリーを目指す家族連れなどを乗せて大宮を11時に出発。野田線を経て春日部駅に進入する直前で伊勢崎線の線路へ渡り、下り4番ホームに到着した。ホームには、「ようこそ!東武スカイツリーライン」と描かれた横断幕を持つスタッフらの姿も見受けられた。
8000系は東武鉄道史上最多となる712両が製造され、オレンジとベージュのツートン、クリーム1色、そして現在の白地に青いラインとボディーカラーを変えて各路線で走ってきた形式。現在は394両が東上線・野田線などで活躍している。
その製造当初の原形をとどめる8000系8111編成は、老朽化した同編成を東武博物館が東武鉄道から買い取ったもので、登場時のオレンジとベージュのカラーや上部灯(前面窓の上に付くライト)などを復活させた同館所有物の動態保存車両となる。今後は同様のイベントや団体臨時列車などで活躍する予定という。
同乗した同館の花上嘉成名誉館長は、「動態保存するにあたり、運輸局などからの指示を受け、制御機器などの改造や、車内外の傷んだところの修復などを施した。車内は、“各年代の色を残したほうがいい”ということで、ドアや化粧板などに異なる時代のものをそれぞれ組み入れている」と説明していた。
また、同じく同列車に乗り合わせた同社の現役乗務員は、「よく言うことを聞いてくれるクルマ。登場当時、その扱いやすさに驚いたことをいまでも覚えている」と振り返っていた。
「今後、さいたまエリアから東京スカイツリータウンまでダイレクトに結ばれるこのルートを使って、臨時列車を運行する予定。また特別列車の導入も今後計画している」としている同社。花上氏は車内で「(現在改造中の)6050系を使用した列車を予定している」と話していた。