気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年8月29日付
●首相問責きょう可決、衆院選改革,野党欠席で採決(読売・1面)
●日産、部品の輸入拡大、中韓近い九州生産に軸(朝日・11面)
●マツダ、中国の3社合弁再編(朝日・11面)
●首都高速会社会長に渡辺元トヨタ社長(朝日・11面)
●希望退職2000人募集、シャープ、11月に(産経・10面)
●コスモ坂出製油所を閉鎖(産経・10面)
●タイでレクサス生産、米でもトヨタが検討開始(東京・7面)
●60歳まで雇用企業身構え、「義務付け」きょう成立、年金の空白に対応、トヨタ給料半分65歳まで(日経・3面)
ひとくちコメント
「国内販売が厳しい中、新型ノートで九州日産が新しいページを開く」。日産自動車の志賀俊之最高執行責任者(COO)は、7年ぶりに全面改良して9月3日から発売する新型「ノート」の発表披露会で、こう力強くあいさつした。これまで新車の発表会といえば、本社のショールームかホテルなどのイベントホールが主流だったが、今回のノートの場合は、国内の生産拠点である日産自動車九州(福岡県苅田町)の工場内。「九州ノートコレクション」と題して生産ラインの一部のスペースを“特設会場”と化したものだが、工場では新車のラインオフ式はよく行われるが、新車発表会を催すのは異例だ。
しかも、発表会では志賀COOをはじめ、従業員、スタッフ全員が背中に「NOTE」という白抜きの文字が浮かび上がった揃いの黒のポロシャツ姿で参加。生産現場にふさわしいファッションで一体感をアピールした。
それはともかく、日産の九州工場を訪れたのは久しぶりだった。新型ノートの生産ラインは、バブル時代に当時の経営陣が贅を尽くしてロボット装置や空調設備などを導入した“ハイテク工場”で、職場環境を快適にするアロマセラピーなども取り入れていた。
さすがに、コスト削減で経費が膨らむ装備は取り除かれていたが、全面ガラス張りで玄界灘が一望できる社員食堂や見学者用のエスカレーターなどは健在だった。かつては“負の遺産”として揶揄された“ハイテク工場”だっが、地場の力を集結してピンチをチャンスに生かすマザー工場としての変身ぶりは見事である。