AQUA SOCIAL FES!! 流域という単位で足元を見つめる

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中盤の記念撮影にて、ウォーキング後半の天候を携帯電話でチェックする岸さん
  • 中盤の記念撮影にて、ウォーキング後半の天候を携帯電話でチェックする岸さん
  • 鶴見川に架かる可動堰のコンクリート。教えてくれないと気付かない“治水物件”だ
  • 鶴見川河川敷よりも3m低い「越流堤」。写真の左から右へ、鶴見川の洪水は日産タジアム側の遊水地へと流れていく
  • 交通の流れを確保するために遊水地よりも高い位置に道が敷かれている
  • 過去に幾度も遊水地に鶴見川の水が流れ込んだという
  • 記念撮影時。真ん中が岸さん
  • 参加者同士のフリーディスカッションでは、みな積極的に想いを語り合った
  • この鶴見川ウォーキングで感じたキーワードを思い思いに綴って交換

トヨタなどが展開する、水をテーマにした地域社会貢献活動プロジェクト「AQUA SOCIAL FES!! 2012」。24日の「みんなの鶴見川流域再生プロジェクト」では、慶應義塾大学経済学部教授・岸由二さんの治水対策の話に一般参加者60人が聞き入っていた。キーワードは「流域」だ。

「足元の流域が大事なんだ」

鶴見川中流域に沿って約12km歩く途中で開かれた「流域論と治水講座」と題したトークセッションで、岸さんはこう切り出した。

「都市で暮らす我々は、行政や国家が決めた区分だけでは自分たちの足元を理解できない。雨水などが集まる水系の範囲である流域にもっと目を向ける。分水嶺や分水界などを知り、流域単位で自分たちの土地を知ることが必要」(岸さん)

岸さんの言葉を聞きながら、鶴見川の右岸左岸を行ったりきたりしてウォーキングする途中で出会った“治水ポイント”を思い出した。例えば、ただ歩いているだけでは見落としてしまうような「可動堰」。

「両岸に設置されているコンクリートが見えるでしょう。あれは可動堰という。人の手によって水中にある鉄板を立ち上げると、その手前で水かさが上がり、水位が上昇した分だけ両岸に広がり、田畑に水が流れるという仕組み。いまは水質汚染や農家が減少するなどで稼働する姿は見られなくなった」(ガイドさん)

また、鶴見川の右岸に位置する日産スタジアム周辺は、もともと鶴見川が洪水であふれたさいにその水を逃がす敷地として整備した遊水地であることも教えてくれた。

「右岸を見ると、ほかの河川敷よりも3メートル低くなっているところがある。鶴見川の水があそこから遊水地へ流れ込むようになっている」(ガイドさん)

岸さんは、「地球全体をとらえる場合、行政がつくる地域や地図と違う、地球みずからがつくった単位『流域』を基本に考えていかなければならない」と参加者たちに話していた。

水をテーマとした地域社会貢献活動イベントを全国50か所で展開していくこのAQUA SOCIAL FES!! 2012。主催はトヨタマーケティングジャパンで、NPO法人鶴見川流域ネットワーキングや一般社団法人Think the Earthなどが共催・協力している。次回は4月22日、東京都町田市の鶴見川源流で「保水の森再生とホタルの水辺再生作業体験」が開催される予定。3月30日まで一般参加者の応募を募集している。

《レスポンス編集部》

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