[年頭所感]馬淵国交相1 交通基本法と交通基本計画の制定を

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提供=国土交通省
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馬淵澄夫国土交通大臣は2011年の年頭所感で、交通基本法案の制定を目指すとともに、交通政策のマスタープランとなる交通基本計画(仮称)の早期策定を目指すと述べた。

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平成23年という新しい年を迎え、謹んで新春のごあいさつを申し上げます。

昨年は、政権交代によって政治や行政のシステムが大きく転換してから、本格的に予算編成等の行政運営に取り組んだ最初の年となりました。私も国土交通副大臣として、また、昨年9月からは国土交通大臣として国土交通行政に携わってまいりました。

本年も引き続き改革を継続し、更なるスピードアップを図りつつ、社会資本整備や交通政策の体系の構築などを通じて、我が国が抱える課題等へ対応してまいる所存です。

私は、国土交通行政は3つの観点から国家の背骨を築いていくものであると認識しております。一つ目は、国土の背骨としての観点です。国土の礎となる社会資本整備のあるべき姿をしっかり示して、これを実現させてまいります。

(社会資本整備、交通政策のあり方について)

私は、公共事業には3つの機能があると認識しております。第一は、維持管理を含め、真に必要な社会資本を整備する機能、第二は、地域間の再分配機能、第三に経済対策としての機能です。

私としては、第一の機能を基本として、真に必要な社会資本整備のあるべき姿とその推進方策についてしっかりと議論し、国民に分かりやすくお示しすることが必要だと考えております。

そのため、これまで、公共事業予算の見直し、事業評価の改善や需要推計手法の見直し、「選択と集中」による重点化等、限られた予算を効果的・効率的に活用できるよう、徹底的な改革に取り組んでまいりました。今後とも、このような公共事業の改革は引き続き進めてまいります。

また、こうした改革の成果を踏まえ、国土に関する長期的な展望を持ちつつ、国土、生活、産業の「3つの国家の背骨」を支える社会資本整備が果たすべき役割を明確にすること、すなわち、社会資本整備のマスタープランを定めることが重要であると考え、「社会資本整備重点計画」の見直しにも着手しております。

昨年末には、社会資本整備審議会・交通政策審議会計画部会において次期計画の骨子案をご提示いただいたところであり、これを踏まえ、本年夏頃までに新たな計画を閣議決定し、平成24年度予算への反映を目指してまいります。

併せて、国土交通政策において、社会資本整備とともに大きな柱である交通政策についても、その中核となる「交通基本法案(仮称)」の検討を進めております。

昨年末、交通基本法案検討小委員会において、交通基本法案の立案における基本的な論点についてとりまとめていただいたところであり、これを踏まえて同法案の制定を目指すとともに、交通政策のマスタープランとなる「交通基本計画(仮称)」の早期策定を目指してまいります。

私は、この2つの計画が国土交通政策の今後の方向性を示す、車の両輪になると考えております。

《中島みなみ》

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