ここ数年、ドイツ各地の公共駐車場や施設の駐車場で普及し始めているのが、「チップコイン」方式だ。「チップコイン」とは情報チップが内蔵されたプラスチック製コインのことで、使い方は以下のとおり。
ドライバーは駐車場入場時に、自動発行機から出る「チップコイン」を受け取る。するとバリアーが開く。
帰るときは車に戻る前、精算機に「チップコイン」を入れる。表示された金額を支払うと、精算機の返却口から「チップコイン」が戻ってくるので受け取る。領収書が必要な場合は、ボタン操作すると即時に発行される。最後は車を運転して退場ゲートに向かい、回収機に「チップコイン」を投入すると、バリアーが上がる、というものだ。
回収機の内部に集められたチップコインは自動的にデータが消去されるので、再び発行機に充填して使う。
従来の紙の駐車券を、再利用可能なプラスチック製コインに置き換えたものといえるこのシステムを製造しているのは、ドイツのシュアイト&バッハマン社である。
同社は「チップコイン」の長所として、紙資源節約や、紙製駐車券の弱点である磁気ストライプ汚損や破損による読取不良とも無縁であることを挙げている。実はこんな簡単なことでも資源節約につながるという、コロンブスの卵的発想である。
ただしいつも紙製駐車券でも、どのポケットやカバンに入れたか忘れる筆者としては、小さなチップコインは、さらにどこに入れたかわからなくなる。技術的には将来「チップコインを服のどこに入れたか教えてくれるセンサー」も可能? と淡い初夢を抱いてしてしまうのだが、いかがだろうか。