そこかしこに、ハイブリッドが出てきている昨今、ハイブリッドだけで点が取れるとは思いません。要は、クルマとしてどうよ?ってこと。そして私のなかでは、『プリウス』圧勝でした。だって屋根にソーラーパネルですよ?有り得ないでしょ、そんな奇天烈な話。だけど、常に新しい技術をどんどん盛り込んでいく好奇心旺盛な姿勢。しかもクルマとして成り立っているところがすごいです。
なんたって走っていて楽しい。そのポイントのひとつがパワーモード。エコモードやEVモードは燃費競争のなかで必要だけれど、敢えて「燃費はどうでもいいから、がんがん走っちゃえ」というパワーモードをつけてくれたのが、私のツボにはまりました。だって人間だれしも「おりゃー!」って叫びたいときあるでしょう。そんな気持ちにビシッと応えてくれるパワーモードは秀逸です。
これからもハイブリッドや電気自動車など、燃費重視の開発は続くと思いますが、悔しかったらプリウスを越えてみろ!と言いたい。そのくらいクルマとして、前を走っていると思います。
岩貞るみこ|モータージャーナリスト
1962年横浜市出身。いま一番購買力があるとされるアラフィー世代を代弁する軽妙な論調に定評あり。交通安全啓蒙に力を注ぐほか、子供たちに命の大切さを伝えるノンフィクション作家としても活動。近著に『ハチ公物語 - 待ちつづけた犬 -』(講談社青い鳥文庫)。