24日に披露されたホンダの新型パーソナルモビリティ試作機『U3-X』。発表会場には4台のU3-Xが導入され、試乗体験会も行なわれた。
U3-Xは、傾斜センサーなどによってユラユラと若干の揺れをみせながら自立している。そのシートに軽く手をあてて静かにまたがる。乗員が重力に向かってまっすぐに座らないと、微妙に傾斜している方向にスルスルスルと動き始めてしまう。だから、まずは垂直に座って静止することから始まる。
実際に体重を前に傾けて、前進し始めるまではいいが、右へ左へと“旋回”する場合は独得の挙動をみせる。全方位駆動車輪機構(HOT Drive System)によって、左右に体重を傾けると、身体の向きは変わらず、スライドするような感覚で身体の傾斜方向へと移動する。
クルマを運転するようなイメージで乗ると、曲がる方向に身体が向いてくれそうに思われるが、このU3-Xの場合“蟹歩き”のように移動するから、実際にクルマのように旋回させようとすると、少しコツがいる。
同社開発担当者は「クルマの感覚を忘れて乗ってほしい。すれ違う人を避けるときなどは、真正面を向いたまま身体を左右に移動させるでしょう。つまり歩行空間と同じ感覚で乗ると早く慣れてくるかもしれない」と話す。