富士スピードウェイは17日と18日の2日間、地元御殿場・小山広域行政組合所属の救急・救助隊、消防隊(以下、消防吏員)との第1回合同救急研修会を開催した。
地元消防吏員とサーキットの救急救助担当者とが相互の活動を理解することにより、救急救助に関する知識と技術の幅を広げ、日頃、地域で行われる救助水準とサーキットにおける救助活動双方のレベル向上を図ることが目的。
第1回研修会は、「フォーミュラカーからの車外救出」をテーマに、富士スピードウェイ担当者がサーキット特有のレーシングカーからのドライバー救出方法をレクチャーする内容で行われ、地元の消防吏員41名が参加した。
サーキット特有の救助活動は、一般社会で必ずしも多くを活用できるものではないが、昨今普及しつつある、救急医がヘリやクルマで現場に直行するドクターヘリやドクターカーなど、自動車レースの救急医療体制から社会に適用された例もある。
富士スピードウェイでは、「今後もテーマを変えて研修会を定期開催し、地元消防吏員と更なる連携を図りながら、地域社会とサーキット双方の救助活動の向上に貢献できれば」(富士スピードウェイ関係者)と考えている。
研修会概要は次の通り。座学講習では、国際自動車連盟(FIA)が定める救出方法を富士スピードウェイが改良した「フォーミュラカー用救出マニュアル」をもとに、富士スピードウェイ担当者がスライドで救出手順を説明した。
公道での乗用車からの救出は通常3名の救助者によって行なわれるが、フォーミュラカーでは6名が対応する。救助者ごとに役割が詳細に定められており、各救助者の適確な作業とチームワークが求められる。参加した地元消防吏員は普段とは全く違う救出方法を熱心に受講していた。
実技講習では、富士スピードウェイスタッフが救出デモンストレーションやフォーミュラカーの構造や救出時に使用する資機材について説明した後、消防吏員が実技を実施した。富士スピードウェイ担当者のアドバイスのもと、地元消防吏員は効率よく車外救出を実践していた。