【CES 09】新たなカーAVの方向性 Car Stars

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ミュージックソースのデータベース提供を行うグレースノート社はCES2009に出展し、Voxonix社の音声認識技術をベースとした『Car Stars』の試作デモを行った。このデモはAtlantic Records及び日産自動車との提携によって実現したものでもある。

デモは日産『アルティマ』に搭載された車載システムを使って行われた。このシステムが持つ最初のポイントは、カーナビ機能で取得した位置情報から、その場所や時刻に合った最適な音楽を自動的に探し出して再生することだ。

真夏の海辺を走っているとき、夜景が見えそうな都会を走っている時など、そのシーンに合わせた楽曲を選ぶのはなかなかできることではない。とくにHDDに楽曲を収録するようになっている今、収録済みの楽曲から運転中に探すことなどかなり難しいとも言える。それがこの機能を使えば、スイッチオンで可能になるのだ。

しかし、このシステムが持つ最大の魅力は別のところにあった。それはいつも聴いているアーティストが、ユーザーの好みに合いそうな楽曲を推薦してくれるということ。たとえば、お気に入りの曲を聴いているとき、そのアーティストがその声で「こんな曲はどう?」みたいな感じでユーザーが好みそうな楽曲を選んでくれるのだ。

驚いたのは、この時は外国人アーティストであってもその国の言葉に合わせて翻訳して話してくれるということだ。もちろん、アーティストがいろんな国の言葉が話せるわけではない。アーティストの音声データをベースに、翻訳されたデータをVoxonix社の音声技術によって変換して案内を行うのだ。だから、たとえばマドンナが日本語で、スマップの中居が英語でオススメする楽曲を案内してくれたりするとういうわけだ。

もっと驚いたのは、その時に勧められた楽曲はユーザーの負担なしでダウンロードできるようにしていることだ。アーティストが勧める楽曲はHDDに収録した楽曲も対象とするが、未収録の楽曲については当然ダウンロードが必要となる。しかし、通信料は別にかかるとしても、ダウンロードにかかる費用をユーザーが負担することは一切ないというのだ。

これについてグレースノート日本支社のSHO IZAKI氏は「おおまかにはシステムを供給する会社がグロスで楽曲提供会社に料金を支払うことで、ユーザーが楽曲をダウンロードする度に費用を負担することはないサービスを考えています」と話す。

放送局は音楽の利用料についてJASRAC(社団法人日本音楽著作権協会)に対し、グロスで支払っているとされるが、考え方としてはこれに近い。

このシステムの開発は、日産自動車より「クルマの中をもっと楽しいものにできるシステムを提案して欲しい」と依頼されたことからスタートしたという。この実現にはグレースノート社が持つ膨大な音楽データベースとVoxonic社が持つ音声技術の協力は欠かせなかったということだが、このCar Starsは新たなカーAVの方向性として見逃せない存在となるのは間違いない。

《会田肇》

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