ベテラン捜査員、バンパーから事故の記憶を導き出す

自動車 社会 社会

愛知県警は1日、7月上旬に新城市内で軽傷ひき逃げ事件を起こしたとして、54歳の男を業務上過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ、無免許運転)容疑で逮捕した。ベテラン捜査員の技術と執念が事件解決に大きく貢献したという。

愛知県警・新城署によると、業務上過失傷害と道交法違反容疑で逮捕されたのは、静岡県浜松市内に在住する54歳の男。この男は7月10日午後、新城市杉山付近の国道151号線で、渋滞のために停車していたクルマの列に追突。2台に乗っていた4人に打撲などの軽傷を負わせたが、そのまま現場から逃走した疑いがもたれている。

衝突速度が速かったこともあり、捜査を担当した同署のベテラン捜査員が「樹脂製バンパーにナンバーの一部が刻印されているのではないか」と推測したが、分析を行った科学捜査研究所からは「判別不能」の返答がなされた。

しかし、この捜査員はあきらめず、鉛筆を削って作ったカーボン粉末をバンパーに振り掛けるなどして、わずかな凹凸を浮かび上がらせることに成功。ナンバーの読み取りを行い、男から任意で事情を聞いていたところ、最終的には逃走の事実を認めたという。

警察では「ベテランの熱意が事件解決に結びついた」とコメントしている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース