独ダイムラークライスラーが、秘密の地下室を保持していることは、あまり知られていない。オーストリアのカプフェンバーグ地区の地下240mのところに、機密保持のための地下室があるのだ。
この地下室を設置した狙いは同社の重要な情報を保持するためで、資料はコンピュータに磁気データとして記録されている。その情報とは、ダイムラーの新技術開発の計画や新しいビジネスプラン、そして、顧客のデータまで多岐に渡る。
この地下倉庫“アース・データ・セーフ”(earthDATAsafe、地中情報金庫)は、第二次大戦中に旧ナチスが作ったトンネルを利用している。外界とは高度なセキュリティを誇るコンピュータ・ネットワークで接続されている。緊急時の自家発電装置を備え、気密性や耐水性も高く、爆発の衝撃にも耐えうる強度を誇る。テロリストの攻撃にも万全というわけだ。
ユニークなのは入り口。なにやらゴルフボールのようなかたちをしており、芸術的なオブジェのよう。ダイムラー以外の会社でも、機密保持のためこの地下室を利用したいという申し出があるという。