新型BMW『5シリーズ』には全グレードにDVDナビが標準装着されている。このナビもセンターコソールに設置されたコントローラーで操作するが、一連のシステムがアルパインと共同で開発されたことはあまり知られていない。
「コントローラーを含めたインターフェイスに関しては、機器を製造するアルパインと共同で開発を進めました」とBMWジャパン・コーポレート・コミュニケーションズ・グループの伊東雄一郎・ゼネラルマネージャーは説明する。
BMWとアルパインが共同でインターフェイスなどの仕様を策定したが、全ての仕様が決まった段階でアルパインは開発チームの座から降り、BMWに機器を納入するひとつのサプライヤーとなっている。「アルパインの機器を装着するのではなく、BMWの機器を装着する」という考え方からだ。
ナビに関してもアルパインの地図ディスクを使用するが、コントローラーでの操作を前提としたインターフェイスを採用したため、市販ナビと同機能のものをそのまま搭載したというわけではない。
コントローラーとナビ本体は光ファイバーで結ばれており、操作が反映されるまでのタイムラグを極限まで抑えるなど、高級車にふさわしい対策もなされている。
興味深いのは、機器のサプライヤーはアルパインだけではないこと。5シリーズからはドイツのジーメンスも製造・納入している。機器を装着する台数が増えたことによる措置だが、仕様がきっちりと決まっているため、他のサプライヤーが作ったとしても問題は全く生じないという。