【ダカールラリー2003】第16レグ……増岡、ゴール前日の逆転で首位

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ダカールラリー(正式名称テレフォニカ・ダカール2003/通称パリダカ)で増岡浩(三菱)が18日、第16レグ、この大会最後のロングSSでステファン・ペテランセル(三菱)を大逆転、首位に立った。ペテランセルがクラッシュしたのだ。ゴールは19日。

17日までの順位では、トップのペテランセルと2位の増岡との差は25分50秒あり、ペテランセルの優勝は確実視されていた。逆転劇は365kmのSSもあと50kmほどで終わるシナイ半島の砂漠で起こった。ペテランセルのクルマがジャンプして着地したときに、岩に激突して左フロントサスペンションを破損、増岡に総合で2時間20分25秒の遅れを取ってしまった。

この日のコースについて、増岡のコドライバーのアンドレアス・シュルツが次のように説明する。「(ペテランセルが)クラッシュした周辺は難コースだ。休日に遊びにいくならいいところだが、長いラリーの実質最後のSSとしては最悪。信じられないぐらいの高速コースで、もちろんスピードを出さなければいいのだが……」

ペテランセルにとって不運の始まりは、SSスタート66km地点で発生したラジェターの水漏れトラブル。これの修復のためCP1(第1チェックポイント)での増岡との差は6分17秒に縮まった。

実はこの時点でこのタイム差はペテランセルの勝利に充分だった。なぜならトップ2のペテランセル、増岡には三菱のドミニク・セリエス監督から、チームオーダーこそ出ていなかったが「無理をせずにゴールを目指せ」の厳命が出ており、増岡はスパートしていなかったからだ。

しかしペテランセルは「増岡の影に追い立てられるようにアクセルを踏み」(三菱関係者)、CP3では再び増岡との差を前日とほぼ同じにまで回復したが、その後クラッシュしてしまった。

《高木啓》

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