拉致事件かと思いきや…。寝坊をごまかすため緊急配備、一斉検問

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3日午前、東京都江東区青海(お台場近く)の路上で、29歳の男性から「3人組に拉致され、クルマで連れてこられた」と110番通報があった。警察が逮捕監禁などで捜査を進めたところ、これが寝坊して会議に遅刻したことをごまかす狂言だったことが判明。この男を軽犯罪法違反(虚偽申告)の容疑で検挙し、詳しい事情を聞いている。

警視庁・東京水上署の調べによると、この男は3日午前10時ごろ、警視庁の通信指令センター(110番受付センター)に対して「3人組の男に拉致され、お台場らしきところまで連れてこられた」と通報を行った。東京水上署の捜査員が江東区青海2丁目の現場に急行すると、仙台市に住む29歳の会社員と名乗る男が「新宿で横断歩道に突っ込んできたクルマの運転手に注意したら、3人組の男に車内に押し込まれてそのままここへ来た。現金9万円も奪われた」と証言した。

警察では逮捕監禁・強盗事件の可能性が高いとして、周辺の警察署に対しても緊急配備と一斉検問を要請するなどして捜査を始めたが、容疑車両や3人組の人相などについて男の証言が二転三転したことを不審に思った捜査員が追及したところ、男が寝坊して会議に遅刻したことをごまかすために嘘をついたことを認めた。このため、男を軽犯罪法違反(虚偽申告)の容疑で検挙し、詳しい動機などを調べている。

今年3月に神戸で起きた拉致・監禁殺人事件以来、全国の警察はこうした事件の発生に神経をとがらせているが、あまりにも稚拙な狂言の動機に当局は呆れ果てているようだ。

《石田真一》

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