『カローラ』は世界14カ国で生産され、世界140カ国で販売される文字通りのグローバルカーである。シャシーから一新された新型は、はたしてこのままのカタチで世界中で販売されるのだろうか? 開発のまとめ役、チーフエンジニアの吉田 健さんに訊いた。
「まず、ほぼこのままのカタチで中近東、香港、シンガポールといったマーケットで販売します。ヨーロッパやアメリカ、アジアについては、それぞれのマーケットごとに需要が異なりますから、マーケットに合わせた手直しをして出すことになるでしょうね。たとえばヨーロッパならハッチバックとか、アメリカなら2ドアとか。とはいっても、細部のデザインこそ変わりますが、基本となるアンダーボディやパッケージは変わりません」
それにしても、今度の新型では、かつて『TE27』や『AE86』といった名車を生んだ「レビン/トレノ」シリーズの2ドア・クーペや、兄弟車『スプリンター』がなくなってしまった。これはなぜなのか?
「時代の流れですね。販売台数からいっても、継続する意味が少なくなってしまいましたから。それに、今度の『カローラ』は、ゼロから創った、全く新しいコンパクトカーのグローバル・スタンダードですから、その新しさを強調する意味でも、ラインナップを整理する必要があったんです」