ニデックは9月29日、代表取締役社長執行役員兼CEOの岸田光哉氏が同日付で辞任したと発表した。後任の社長執行役員兼CEOには戒田理夫氏が就任した。
岸田氏の辞任は、約1年前から続く一連の問題のさなかでのトップ交代となる。不適切な会計処理の疑いから始まった問題は、第三者委員会による多数の会計不正の認定、創業者の永守重信氏を含む経営陣の退任、さらに品質に関する不適切行為へと広がった。
ニデックで何が起きているのか。この1年間の動きを振り返ってみよう。
■始まりはイタリア、そして中国子会社へ
問題が表面化したのは2025年だ。ニデックは同年6月、イタリア子会社のニデック・FIR・インターナショナルに関する貿易取引上の問題と関税問題について追加調査が必要になったとして、2025年3月期有価証券報告書の提出期限を9月26日まで延長した。
その後、別の問題が浮上する。7月22日、子会社のニデックテクノモータから監査等委員会に対し、中国子会社のニデックテクノモータ(浙江)で不適切な会計処理が行なわれた疑いがあるとの報告があった。問題となったのは、2024年9月下旬にサプライヤーから受け取った値引きに相当する購買一時金1000万元、約2億円の会計処理だった。
調査を進めると、問題はこの中国子会社だけでは収まらなかった。ニデックやほかのグループ会社でも、経営陣の関与または認識の下で、資産の評価減の時期を恣意的に検討していたとも解釈できる資料が複数見つかった。
ニデックは9月3日、独立した第三者委員会を設置した。
■監査法人「意見不表明」、東証が特別注意銘柄に
第三者委員会による調査が続く中、問題は上場企業としての財務報告にも波及した。
2025年3月期の有価証券報告書について、会計監査人は、連結財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性があるとして、監査意見を表明しなかった。東京証券取引所は10月28日、内部管理体制などについて改善の必要性が高いとして、ニデック株式を「特別注意銘柄」に指定した。
ニデックは10月30日に「ニデック再生委員会」を設置。2026年1月28日には改善計画・状況報告書を提出し、ガバナンスの強化や企業風土の刷新に乗り出した。





