NTTデータは、電動車向けバッテリーに関する業界横断エコシステム「バッテリー・トレーサビリティ・プラットフォーム」の提供を5月16日より開始した。バッテリー製造時のカーボンフットプリント情報(CFP情報)について、サプライチェーン企業間で集計・連携が可能になる。
◆欧州でカーボンフットプリント情報の開示が義務化へ
カーボンニュートラルの達成など社会課題の解決策として、サプライチェーンおよびバリューチェーン全体で、各組織が保有するデータを安全かつ正確に流通できる仕組みが求められている。
とくに、欧州において2023年8月に施行された電池規則では、バッテリーのライフサイクル全体におけるCO2排出量や資源リサイクル率を欧州委員会に開示することが求められており、バッテリーを市場に出荷する際にCFPの開示が義務化される見込みだ。NTTデータはこうした規制への対応を見据え、バッテリー・トレーサビリティ・プラットフォームを提供開始する。
◆データ連携基盤「ウラノス・エコシステム」
本事業は、経済産業省が提唱する「ウラノス・エコシステム」のファーストユースケースだ。ウラノス・エコシステムは、国境や業界をまたぐ横断的なデータ連携基盤の構築により、社会課題(カーボンニュートラル、サーキュラー・エコノミーなど)や経済課題(パンデミックなどによるサプライチェーン断絶、経済安全保障など)の解決および産業発展をめざす、官民連携イニシアティブ。将来的にさまざまな産業へ展開し、国外でも幅広く利用される次世代の情報インフラをめざす。