マツダ 古賀専務「販売の質の改善ができたのはポジティブ」…2020年3月期営業利益は47%減の436億円

マツダ CX-30(欧州仕様)
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マツダは5月14日、2020年3月期の連結決算をメディアとの電話会議によって発表した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大などにより、営業利益は前期比47.0%減の436億円と、2期連続の減益になった。

今期(2021年3月期)の業績予想については「感染拡大により先行き不透明な事業環境が継続する見通しであり、引き続き業績への影響について慎重な見極めが必要」(藤本哲也常務執行役員)とし、公表は見送った。

前期のグローバル販売は9%減の141万9000台で、2期続けて減少した。主要市場で需要が弱含んでいたところに、第4四半期の新型コロナウイルスの影響が出た。主力の北米は6%減の39万7000台、発生源の中国は14%減の21万2000台と落ち込んだ。一方で欧州は2%減の26万4000台、消費税増税の影響も出た日本は6%減の20万2000台と減少したものの、販売シェアはほぼ前年並みを維持した。『CX-30』など新モデルの好調による。

前期の為替レートは1ドル109円で前々期から2円の円高、ユーロも121円で8円の円高となり、営業損益段階での減益要因は683億円に及んだ。また、販売減少や生産停止など新型コロナによる減益影響は100億円になった。純利益は80.8%減の121億円にとどまり、営業利益とともに2期連続の減益となった。

電話会議で古賀亮専務執行役員は前期の業績について「為替やコロナの影響など外部要因はあったものの、(利益の)数字としては厳しく受け止めている」と指摘したうえで、「出荷台数が落ち込むなかで、販売についてはネットで約200億円の改善ができた。(車種)ミックスの改善とインセンティブの抑制による販売の質の改善ができたのはポジティブ」と評価した。

新型コロナウイルスのへの対応に関しては「まず、従業員や販売会社の方の健康と安全そして雇用と生活を守ること。生産・販売の領域ではインセンティブの抑制を続けながら高まった在庫を圧縮し、キャッシュフローの改善につなげていきたい」と強調した。

一方、2021年の稼働を目指してトヨタ自動車と共同で建設を進めている米国アラバマ州の新工場については、「中期的なコロナの影響はまだ読めないし、現時点で計画を変えることは考えていない」と話した。

《池原照雄》

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