ゴロゴロと部屋の中をさまようヘルメットの定位置が決まり、さらに湿気を取って防臭にも役立つ「多機能ヘルメットハンガー」が、東京モーターサイクルショー2018会場で、話題を集めている。
本体は、脱落防止のフック付き台座の上にヘルメットを置くだけ。特殊塗装を施したスチール製で、台座につけた適度な傾斜とフックの作用で、ヘルメットを置くだけでほぼ転落しない構造になっている。オプションの取付金具を使えば、開閉するドア掛け、壁掛け、デスクトップスタンドなど、どこにでも定位置を作ることができる。
「鹿の剥製を壁に飾るように、気に入ったヘルメットを壁掛けしながら、置いたヘルメットと同じように、自然に手に取ることができる」と、輸入販売を手掛ける「エム」(埼玉県越谷市)の三保田好一社長。壁掛けだけなら単機能だが、どこが多機能なのか。
「傷を付けないために、ヘルメットは開口部を下にして置くが、これはコップの飲み口を下にして密閉してしまうようなもの。多機能ヘルメットハンガーは、台座にスリットが入っている。さらにヘルメットを浮かせる構造で空気が循環して、雨水のしみた内部も、夏場の汗も乾きやすい。内部の衝撃吸収材も傷みにくい上に衛生的」(三保田社長)
この機能をさらに強化するため、底部から強制的に風を送る送風ファン付きだ。さらに、底部にグローブスタンドを取り付ければ、同時に使うことはできないが、グローブを乾燥させることもできる。設置場所を選ばないために、電源はUSBのモバイルバッテリ―とAC電源の両方が使える。
二輪車用カスタムパーツを手掛ける同社は台湾にも支社があり、発案者のハックさんがアイデアを持ち込んだことでこの製品が実現した。モーターサイクルショーに展示されているものは、台湾で販売されているオリジナルで、台座のスリットがハックさんのスペルに切り取られている。エムは台湾を除く地域で販売を手掛ける。
「ぜったい紹介したいと、東京モーターサイクルショーに間に合わせるために、ハンドキャリーで持ってきたばかり。(日本では)細部の仕様は少し変わりますが、本当に役立ちます」
こうした機能を持つ道具が、そもそもなかっただけに想像しにくいが、なるほどライダーの悩みを解消してくれそうな便利ツールだ。東京ビックサイト4階のブースで実物展示中だ。