日本精工は、自動車用ディーゼルエンジンのロッカーアーム用に低摩擦化や高耐久性を実現することで燃費向上に貢献する「低トルクタペットローラ」を開発したと発表した。
ディーゼルエンジンは、燃料が燃焼する際、すすや窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)が発生するため、タペットローラの軸は腐食摩耗が発生し易い過酷な環境で使用される。このため、ロッカーアーム用タペットローラには、耐久性を重視した滑り軸受が使用されていた。
今回、ディーゼルエンジン用としてダブルローラ仕様の滑り軸受に代わる新製品としてニードルローラ仕様の転がり軸受を開発することで、低摩擦化と高耐久性を実現した。
開発品は、タペットローラにニードルローラ仕様を採用することで、従来比10%の低摩擦化を実現した。タペットローラの軸にクロム系被膜を採用、腐食摩耗を抑制することで、ニードルローラ仕様での高耐久性も実現した。
高い密着性を持つ被膜をタペット軸に採用することで、加締め加工を実施しても被膜割れなどを起こさず軸固定が可能となり、従来と同じ固定方式を適用することが可能。これらによってディーゼルエンジンの低燃費化に貢献する。
同社では、開発品で2019年に15億円の売上を目指す。