パナソニックは2月1日、2013年3月期第3四半期決算を発表した。それによると、4月~9月の売上高は5兆4397億円(前年比8.8%減)、営業利益が1220億円(同208.4%増)、税引き前損益が2694億円の赤字、当期損益が6238億円の赤字となった。
セグメント別では、オートモーティブシステムズ事業が「北米、アジアでの販売が大きく増加した」(河井英明常務)ことによって、売上高が前年比28%増の5717億円、営業利益が同269%増の119億円と、8つのセグメントのうち唯一大幅な増収総益を達成した。
反対にシステムコミュニケーションズ事業は、売上高が同15%減の5098億円、営業損益が前年同期23億円の赤字から140億円の赤字と大きく悪化した。これは携帯電話の販売不振によるところが大きく、携帯電話で業績を回復させたシャープとは対照的な形となっている。
ただ、第3四半期だけを見ると、会社の業績は大きく回復しているという。会見に臨んだ河井常務も、説明するのはもっぱら第3四半期の話ばかり。「デジタルコンシューマー商品の販売不振により、売り上げが減少したが、固定費削減の取り組みなどによって、営業利益は増益を確保、そして事業構造改革費用の減少などにより、税引き前利益、当期純利益がそれぞれ黒字化した」と胸を張った。
ちなみに第3四半期(10月~12月)の業績は、売上高が1兆8015億円、営業利益が346億円、税引き前利益が93億円、当期純利益が614億円だった。しかし、8つのセグメントにそれぞれ課題も多く、今後の方針については今回の決算では語られなかった。「3月下旬に中期経営計画を発表するので、詳細はそのときまで待ってほしい」とのことで、現在、各セグメントで練っているところだという。
昨年の第2四半期決算の発表時、津賀一宏社長は「今は普通の会社でない」と述べたが、パナソニックが普通の会社になるまで、しばらく時間がかかりそうだ。