独ZF社、乗用車向け8速/9速ATを米国で生産開始

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ZF社シュテファン・ゾンマーCEO
  • ZF社シュテファン・ゾンマーCEO
  • ZF社が開発した9速オートマチック

独ZF社は、デトロイトモーターショーにおいて、同社にとって最大の成長市場となった北米への追加投資を継続し、現在の成長トレンドを今後も維持していく考えを明らかにした。

ZF社の北米市場における売上高は、オートマチックトランスミッション(AT)の需要増加を背景に、前年の30億米ドル(約2731億円)から35%増の40億米ドル超(約3642億円)に急増。ZF社ではこの成長を積み重ねていき、2015年までに売上高を55億米ドル(約5007億円)まで伸ばしていきたいとしている。このため、2015年までの間に7億米ドル(約637億円)を北米地域に投資する予定だという。売上高の増加は、北米地域での雇用拡大にも反映。昨年、ZF北米チームでは約700人を新規雇用し、従業員総数は約6800人となった。

同社はこれまで北米市場に大規模な投資を行ってきた。サウスカロライナ州のトランスミッション新工場では今年、量産を開始。標準駆動システム用の8速ATと、横置き型エンジン搭載車用の9速ATを生産し、主に米国に拠点を持つ乗用車メーカーに供給する。これまでに4億3000万米ドル(約391億円)を投じてきた新工場は、年間で合計80万ユニットの生産能力を持つ。

新工場の稼働で、北米における生産網はさらに拡大。ZF社は現在、北米地域に22か所の生産拠点を持ち、うち16か所が米国、6か所がメキシコとなっている。ZF社では、自動車メーカーの拠点に近いこれらの拠点から、これまで以上に幅広い製品群を供給する。

自動車関連では、乗用車向けATのほかに、アクスルドライブや、フロント/リアアクスルシステムの完成品などの製品を扱う。これに加え、ZF社とボッシュ社が50%ずつ出資する合弁会社のZFレンクシステム社は、電動式のステアリングシステムを米国内で生産。この電動式ステアリングシステムは、ドライバーが実際に操舵する時にだけエネルギーを必要とするパワーオンデマンド方式により燃費低減とCO2排出量削減にも貢献する。

《纐纈敏也@DAYS》

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