トヨタ自動車の伊地知隆彦取締役・専務役員は7日の決算発表の席上、同社の現下の収益力は、東日本大震災やタイの大洪水の影響を除いた場合、「1ドル78円、連結販売台数780万台で営業利益は5400億円」と評価した。
同日発表した2012年3月期の業績予想に、大震災と洪水の影響による販売減や収益の悪化分を上乗せして評価した。伊地知専務は「タラレバ(の試算)で悪いけど、社内ではこれがトヨタの実力と認識している」と、述べた。
トヨタは2011年3月に中長期の指針であるグローバルビジョンを公表。このなかで、1ドル85円の円高環境下でも、トヨタ単体(トヨタ、レクサスブランド)の販売が750万台を確保できた場合、1兆円の連結営業利益、5%の同利益率を確保するという収益目標を掲げた。
伊地知専務は、大幅な円高が進んだ状況下での足元の“推定利益レベル”は「グローバルビジョンの目標に向けて、オンザラインで進行できている」とも言及した。