JFEスチールは、同社の鋼材製品を輸送する電気推進船「はいぱーえこ」の就航を発表した。
はいぱーえこは、鋼材運搬用として日本初の電気推進船で、従来のディーゼル船と比較し燃費が5%向上、CO2排出量を削減できる。中国の青島造船所が建造し船主は向島ドック、JFE物流が運航させる。
電気推進船は、発電機でモーターを駆動し、プロペラを回転させて推進する。エンジンをモーターに置き換えることで船尾の機関スペースが空く。はいぱーえこは、機器配置の自由度を最大限に活かし、船尾水流抵抗の軽減を実現するとともに、船型のスリム化や2機2軸のプロペラの導入により操作性を向上、全体の水流抵抗を削減した。この結果、電気エネルギーによる伝達ロスを上回る省エネ効果が得られ、これまで困難とされた鋼材運搬への電気推進船の適用が実現した。
また、はいぱーえこは、機関の静粛性や船内空間の自由度を活かし、船内環境の改善も図った。船舶機関出力は750kW未満で、法律で定められている機関部有資格者数を削減することが可能。