富士通セミコンダクターは、車両のデジタルダッシュボードや、カーナビゲーションシステムなどの画像表示向けLSI「MB86R11」を開発し、12月上旬からサンプル出荷を開始する。
新製品は、ARMの最新CPUコアのCortex-A9TMに、4つのビデオ入力、最大3つのディスプレイ出力、車載LSIの周辺インターフェースを集約した1チップシステムLSI。このLSIを採用することで、カメラ映像を利用した車両の全周囲確認などの安全運転支援、エコドライブ支援など、自動車の運転状況に応じて、表示内容を自由に切り替えることが可能となる。
例えば、車両の前後左右に設置した4つのカメラ映像を、リアルタイムに合成・変形して1つの映像として表示する全周囲立体モニタシステムを1チップで実現できる。描画性能も車載向け画像表示LSIとして業界トップクラス。
車載表示システムとして、クラスターディスプレイ、センターディスプレイ、ヘッドアップディスプレイなど、車内外の情報を表示する機器が増加している。スピードメーターや燃料残量などを表示していたクラスターディスプレイに、地図映像やオーディオの楽曲データを表示するなど、各種映像コンテンツを連携するニーズも増えており、こうした需要に対応していく。
映像のコントラストを自動的に補正する機能により、逆光時、夜間時も高い視認性を確保することができるほか、TVやDVDなどの映像を鮮やかに補正することも可能。カーナビの3次元地図描画では、従来の交差点に加え、街並みや風景などの映像をより高い質感で表示することも可能になる。
2011年春にはMB86R11の上位製品として、より高解像度表示パネルに対応した製品を開発する予定。
サンプル価格は5000円。