ダイムラーは1日、欧州向けのメルセデスベンツ『ビアノ』(日本名:『Vクラス』)に、大幅な改良を施した。
現行Vクラスは、2003年のデビュー当初、日本でも欧州と同じビアノを名乗った。しかし、2006年11月の一部改良を機に、日本でのネーミングを初代と同じVクラスに変更している。
今回の改良は、2003年のデビュー以来、初の大がかりなもの。ヘッドランプを現行メルセデスの乗用車系に共通するデザインに変更し、従来よりもはっきりした表情を手に入れた。リアエンドも手直しを受けている。
インテリアは素材の変更により、質感をアップ。LEDを使用した新しいアンビエント照明システム、新デザインのフロントシート、4本スポークのマルチファンクションステアリングホイールなどが採用された。振動や静粛性が改善されているのも見逃せない。
メルセデスが推進する「ブルーエフィシエンシー」テクノロジーも積極導入。アイドリングストップ、オンデマンド制御の補器類、低転がり抵抗タイヤ、新開発6速MT、専用ギアレシオなどの効果により、CO2排出量や欧州複合モード燃費は、最大で15%改善された。サスペンションのチューニングも見直され、快適性とハンドリングの両立が追求されている。
ダイムラーは今年3月のニューヨークモーターショーにおいて、『Rクラス』の大幅マイナーチェンジ車を発表したばかり。今回のビアノ(Vクラス)の大幅改良により、メルセデスベンツの「ピープルムーバー」2車種が、そろって商品力を増したことになる。