「日本一速い男」の称号を争う全日本選手権フォーミュラ・ニッポンはまもなく開幕するが、昨年のチャンピオン、ロイック・デュバルがチームを移籍、ホンダ陣営で内戦勃発か、と騒がれている。
昨年圧倒的な強さで栄光をナカジマ・レーシングにもたらしたデュバル選手は10年シーズン、ドコモ・チーム・ダンディライアン・レーシングに移籍、伊沢拓也選手とペアを組む。チームはここ数年チャンピオン争いに絡めず、大幅な体制強化に踏み切った。
一方のナカジマ・レーシングは昨年の全日本F3・Nクラスチャンピオン、山本尚貴選手を抜擢、小暮卓史選手とともにチームタイトル維持とドライバータイトル奪取を狙う。
新規参戦のモチュール・チーム・無限は、他カテゴリーで好成績を収め、ホンダ車のチューニングで名を馳せた名門。井出有治選手を擁しての参戦だ。若手育成を目的に結成されたエイチ・エフ・ディー・ピー・レーシングは、昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した塚越広大選手を引き続き起用、初優勝を目指す。
トヨタ勢も精力的な開発作業が続いている。名門のチーム・インパルは活きの良い若手、平手晃平選手がエースに昇格、J. P. オリベイラ選手が復活参戦する。もう一つの名門、チーム・ルマンは石浦宏明選手が参戦、ペアを組むのはドライバーオーディションを勝ち抜いたケイ・コッツォリーノ選手だ。育成カテゴリーから日本のサーキットを走り込んだ日本育ちのイタリアン。
デリッツェフォリエ・セルモ・インギングは新スポンサーを獲得、ドライバーもTDP(トヨタヤングドライバーズプログラム)F3の井口卓人選手を起用したフレッシュな体制。ペトロナス・チーム・トムスはドライバーは変更せずアンドレ・ロッテラー選手と大嶋和也選手で参戦。トヨタ陣営の新規参戦チームがケーシーエムジー。全日本F3選手権での実績がある。ドライバーは平中克幸選手だ。