欧州新車販売、5か月連続でプラス…10月実績

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ACEA(欧州自動車工業会)は16日、10月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は126万3305台で、前年同月比は11.2%増。5か月連続で前年実績をクリアした。

欧州5大市場では、ドイツが引き続き好調。10月は32万1120台を販売し、前年同月比は24.1%増と10か月連続のプラスだ。9年以上保有している古い車を一定の基準を満たした低公害車に代替する際に、最大2500ユーロ(約33万円)を補助するスクラップインセンティブは9月2日に終了したが、ドイツでは好調なセールスが持続。2009年1 ‐ 10月累計でも25.9%増の331万1886台と、ドイツは高い伸びを維持している。

ドイツ以外の主要4か国も、インセンティブ効果で新車販売は好調。英国は16万8942台を販売し、前年同月比は31.6%増と4か月連続で増加した。フランスは20.3%増の21万0424台、イタリアは15.7%増の19万5545台と、ともに5か月連続で前年実績をクリア。スペインは26.4%増の9万8202台と、2カ月連続での前年実績超えである。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比9.5%増の25万0306台と、6か月連続のプラス。VWブランドが11%増の13万9881台、シュコダブランドが57.8%増の3万4452台、セアトブランドが8.1%増の2万5799台と好調だ。しかし、アウディブランドは11.6%減の5万0031台にとどまった。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比18.4%増の16万2738台と5か月連続増。その内訳は、プジョーが20%増の8万5859台、シトロエンが16.7%増の7万6879台と、両ブランドともに好調だ。

9月の5位から3位へ浮上したルノーグループ(ダチアを含む)は、前年同月比43.7%増の12万7710台と大幅増。ルノーブランドは40.6%増、ダチアブランドは68.3%増と、驚異的な伸びを見せる。

9月の3位から4位に後退したフォードグループ(ボルボを含む)は、前年同月比19.4%増の12万3033台。5か月連続で前年実績をクリアした。

9月の6位から5位へ上昇したフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、10万5487台を販売。前年同月比は18%増と7か月連続のプラスだ。ブランド別では、フィアットが20.2%増、ランチアが13.1%増、アルファロメオが6.2%増と、いずれも伸びている。

9月の4位から6位に下がったGMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は、17.6%増の10万0712台。4か月連続でプラスをキープした。

9月の9位から7位にランクアップしたダイムラー(メルセデスベンツとスマート)は、6万1694台をセールス。しかし、前年同月比は2.5%減にとどまった。

9月と同じく8位のトヨタグループ(レクサスを含む)は、前年同月比27.3%増の6万0384台と、3か月連続のプラス。レクサスブランドは22.2%減と不振だが、トヨタブランドは29.1%増の5万9097台と売れている。

9月の7位から9位へポジジョンを下げたのが、BMWグループ(MINIを含む)。前年同月比8.7%減の5万9304台と、2か月ぶりのマイナスだ。MINIブランドは21.3%増の1万1432台と好調だが、BMWブランドが13.8%減の4万7872台と落ち込んだのが響いた。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが2万3290台を販売し、前年同月比は46.7%増と9か月連続のプラス。キアも36.2%増の2万0092台で6か月連続のプラスと、韓国2社は米国と欧州で存在感を増している。

また日本メーカーでは、日産が前年同月比62%増の3万3046台、スズキが28.7%増の1万8937台、ホンダが6.9%増の1万6005台と好調。しかし、マツダは4.1%減の1万4838台、三菱は32.6%減の5316台と苦戦している。

欧州新車市場は、スクラップインセンティブの効果で引き続き好調。今年1 - 10月累計販売台数は、前年同期比5%減の1220万6381台と、通年での前年実績超えの可能性も出てきた。しかし10月で見れば、前年同月比は西欧諸国が15.8%増に対して、東欧諸国は36.9%減と大きな差がある。欧州全体での底上げが、今後の課題となりそうだ。

《森脇稔》

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