ひき逃げ事故で被告が「身に覚えがない」と無罪主張

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昨年10月、神奈川県相模原市内の県道で、酒に酔い潰れて路上で寝込んでいた70歳の男性をクルマでひき逃げし、死亡させたとして、自動車運転過失致死などの罪に問われた32歳の男に対する初公判が2日、横浜地裁相模原支部で開かれた。被告は「人をひいた認識が無い」として、無罪を主張している。

問題の事故は2008年10月6日の午後9時25分ごろ発生した。相模原市田名付近の県道で、酒に酔い潰れて路上に寝込んでいたとみられる70歳の男性が、クルマにひき逃げされた。男性は近くの病院に収容されたが、まもなく死亡。警察は死亡ひき逃げ事件として捜査を開始し、事故から2週間後の10月20日に32歳の男を自動車運転過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕。検察は後に同罪で起訴した。

2日に横浜地裁相模原支部で開かれた初公判で、被告の男は起訴事実を否認。「帰宅する途中に現場を通過したが、その際に異常な出来事は起きておらず、人をひいたという認識が無い」と主張。続いて行われた冒頭陳述で、検察側は「被告の運転するクルマは、事故現場付近でセンターライン側に寄り、直後に倒れていた被害者をはねた」と主張。センターライン側に寄った行為が「倒れている被害者を認識し、回避行動を取ったもの」だとした。

これに対して被告弁護側は、センターライン側に寄ったという後続車の目撃証言があったことは認めながらも、「被害者は暗闇に紛れており、被告には認知できなかった」と反論。事故後から逮捕に至るまでの期間、クルマを洗車していなかったことからも、事故を隠蔽する意図は無かったとしている。

《石田真一》

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