フォルクスワーゲン『シロッコ』の上級グレードにはパワフルな走りが楽しめる2リットルターボエンジンを搭載した「2.0TSI」が設定されている。
このエンジンは200PS/28.6kg-mという自然吸気の2.8リットル車並みのスペックを発揮しながらも、10・15モード燃費に関しては13.2km/リットルを実現している優れたパワートレインだ。
フォルクスワーゲンジャパン マーケティング本部 丸岡直樹さんは「シロッコに搭載される2リットルターボエンジンは、5代目『ゴルフ』GTIと共通の基本構造やボアストロークを採用していますが、カムシャフトの駆動をベルトからチェーンに変えるなど、パーツ類は大部分が新設計されています」
「その結果、パワフルなエンジンスペックと心地よい回転フィールを損なうことなく、10・15モード燃費をゴルフGTIの12.6km/リットルから13.2km/リットルに改善し、環境性能も向上させています」とコメント。
確かにシロッコ2.0TSIは優れた燃費性能を手に入れながらも、ゴルフGTIに勝るとも劣らない爽快な走りを実現している。ターボだけの過給となるので、最大トルクの発生回転数はツインチャージャーよりも若干高い1700-5000rpmとなるが、それでもターボを感じさせることのないスムーズな走り出しが可能。GTIの時は発進時に多少唐突にトルクが立ち上がる印象があったが、それもシロッコではだいぶ洗練されてきている。
組み合わされる6速DSGの制御や変速の切れ味も上手くセッティングされており、心地よい加速感をもたらしてくれる。1.4リットルのツインチャージャーでも十分に軽快な走りが楽しめるが、2リットルターボでは更なるゆとりと力強さを味わうことができる。
また、2.0TSIは1インチ大きい18インチタイヤが標準装備されているが、アダプティブシャシーコントロールのDCCが装備されており、コンフォートモードを選べば17インチと大差ない乗り心地を提供してくれるのも魅力。そしてスポーツモードを選べば、より俊敏な回頭性を見せてくれる。
1.4リットルツインチャージャーのTSIと2リットルターボの2.0TSIの価格差は55万円と小さくはないが、2.0TSIにはパワーアシスト付きのレザーシートやDCC、18インチタイヤなどパワートレイン以外にもグレードアップした装備が多数採用されており、価格差以上の価値を提供してくれる。
シロッコのスタイリングにマッチしたスポーティな走りと、上質な室内空間を手に入れたい人には2リットルターボの2.0TSIがオススメだ。